2016/12/26(月)IP電話でFAXモデムを使ってみた(CX-FU02編)

とある用事でFAX送信が必要になったので、FAX機を購入するのも何だかなあ、ということで、パソコンから送信することにしました、ということを前にもお話しました。

早速外付けUSB FAXモデムを探して購入。TSdrena PCM-UBAM1-Kです。
が!これって調べてみたら当たりハズレが激しいらしく、あまり評判が良くない様子です。
これは怖い。恐る恐るUSBポートに接続して試してみました。

使用機材

  • FAXモデム : TSdrena PCM-UBAM1-K
  • パソコン : HP ProBook 4340s(Windows 10)
  • 電話回線 : IP電話(050Plus)*1

通信先

  • FAX機 : 業務用FAX複合機(実績重視のため)
  • 電話回線 : ひかり電話

ドライバセットアップ

Windows10ですとパソコンのUSBに接続すればドライバが勝手にインストールされます。
デバイスマネージャーで見てみると、モデムとしっかり認識されています。
ドライバの名称は「Conexant USB CX93010 ACF Modem」となっています。

ケースには「CX-FU02」文字が!
どうやら中身は違うものが入っていたようで、購入元のレビューを見てみると、やはり同じ購入者が何名もいらっしゃいました。
「CX-FU02」は、受信エラーが頻繁に発生するため、動作保証しておりません。
StarFAXのサポートページより
とあります。あのFAXソフトの老舗さえこれですので、これはまがい物を掴まされた可能性があります。
しかし、本当に受信エラーが頻発するのか、検証するまでは分かりません。

まずは、プロパティを開きます。

【モデム】タブ 設定後OKを押します。
ボリューム : オン
ポートの最高速度 : 115200
ダイヤルの管理 : 「発信音を待ってからダイヤルする」のチェックを外す

診断

モデムのプロパティから、モデムとパソコンが通信できているか調べます。

【診断】タブ
モデムの照会ボタンをクリック。
コマンド・応答の欄に文字列が表示されればOKです。

接続テスト

モデムとして使えるかテストするため、たまたま@Niftyにアカウントがありましたので、ダイアルアップ接続を試みます。*2
  1. コントロールパネルから「ネットワークの設定」を開きます。
  2. まず、すべてのネットワークを切断しておきます。
  3. 次に、左のメニューから「ダイアルアップ」を押します。
  4. さらに、「新しい接続を設定する」を押します。
  5. すると、「接続またはネットワークのセットアップ」ウィザードが起動します。
  6. 接続方法一覧から、「インターネットに接続します」をクリックして「次へ」ボタンを押します。
  7. 「既存の接続を使用しますか?」と表示されたら「いいえ」を選択し、「次へ」ボタンを押します。
  8. 「ダイアルアップ」をクリックします。すると「インターネットへの接続」ウィンドウが開きます。
以下の項目の赤字で示したところを記入します。

【インターネットサービスプロバイダ(ISP)の情報を入力します】
入力したら接続ボタンをクリックしてください。
ダイアルアップの電話番号 : [@Niftyのアクセスナンバー]
ユーザ名 : [@Niftyのユーザ名]
パスワード : [@Niftyのパスワード]
このパスワードを記憶する : チェック入れる
接続名 : @Nifty
通信リンクが確立するまで、少々待ち時間があります。
正常に接続できたか、ブラウザ等を開いて確認してみてください。

BNR スピードテスト 回線速度/通信速度 測定で通信速度を測定してみました。
  • ダウンロード : 約20Kbps
  • アップロード : 約34Kbps
となかなか良好な成績でした。

チェックが終わったら切断しておきます。

*2 : 050Plusでは@Niftyのアクセスナンバーへの通話ができないので、このテストではひかり電話を使いました。

Windows FAXとスキャンの設定

Windows FAXとスキャンはWindowsアクセサリの中にあります。

起動したらメニューの「ツール」から「FAXの設定」を選びます。

【全般】タブ 入力が終わったらOKボタンを押します。
デバイス名 : Conexant USB CX93010 ACF Modem
デバイスでFAXを送信できるようにする : チェック入れる
デバイスでFAX呼び出しを受信できるようにする : チェック入れる
自動的に応答する : チェック入れる
3回呼び出し後

送信者情報の設定

これはなくてもいいですが、FAXのヘッダ部分に印字されたりするので入れておいた方が親切です。
「ツール」の「送信者情報」でウィンドウを開きます。

【送信者情報】 入力し終わったらOKボタンを押します。
氏名 : [送信者氏名]
FAX番号 : [IP電話の電話番号]
電子メール : [FAXを電子メールとして送信する時のメールアドレス]
他の項目はお好みで自由に入力しておいてください。

送信テスト

送信先は、家の固定電話に業務用FAX複合機を取り付けて、これに受信させました。
ひかり電話+業務用FAX複合機の組み合わせは実績があるので安心です。
 PCM-YBAM1-K → 050Plus → 一般電話回線網 → ひかり電話 → FAX複合機
とくに問題はなく、無事送信できました。
これで当初の目的は果たせたことになります。

受信テスト

送信元は、送信テストと同じくひかり電話に業務用FAX機を取り付けて送信させました。
 FAX複合機 → ひかり電話 → 一般電話回線網 → 050Plus → PCM-YBAM1-K
  1. 着信は認識できました。
  2. オフフック状態になります。
  3. FAX状態モニターが起動します。
  4. 「FAX呼び出しとして応答されました」とのログ表示が出ます。
  5. 「着信呼び出しが FAX 呼び出しとして応答されません」とのログ表示があり、回線切断になります。
どうやらFAX通信の確立がうまくできないようです。
何度も試してみましたが、10回に9回くらいの割合で失敗します。
まれに正常受信してくれますが、これでは期待はできません。

電話回線をひかり電話に変えて受信テストをしてみましたが、やはり現象に変化はありませんでした。回線の問題ではなく、モデムの問題だと思われます。

後日談

いちおうFAXの受信ができるようになりました。

「Windows FAXとスキャン」のメニュー項目「ツール」から「FAXの設定」を選び、
「全般」タブから
「デバイスでFAX呼び出しを受信できるようにする」にチェックを入れる
「自動的に応答する」にチェック入れる
5回呼び出し後
と設定します。特に呼び出し回数に注目してください。少なくとも3回では失敗します。
次に、「セキュリティ」タブから
Everyoneをクリックし、
「FAX」の項目の「許可」にチェックを入れる
「FAXの構成の管理」の「許可」にチェックを入れる
「FAXドキュメントの管理」の「許可」にチェックを入れる
とすれば自動応答できるようになります。

何度FAXを送信したのか分かりませんが、ようやくこの設定に落ち着きました。

感想

評判が悪いので心配していましたが、FAX送信は思っていたよりスムーズにできました。
受信ができなかったことは残念ですが、当初の「FAXをパソコンから送信する」という目的は果たせました。

受信まで視野に入れている人には、このFAXモデムはオススメできないようです。
→ 受信できるようになりました。不運にもこのFAXモデムを購入してしまった人には、この記事が役に立てば幸いです。

「変換名人」というブランドのUSB FAXモデムを購入したら、なんとそれもまたこの製品でした。
問合せてみたらこのブランドの正規品とのことです。